四諦に基づく問題解決法(2) 具体例:会社経営編
踏まえておくべき基本用語:四諦
「四諦に基づく問題解決法(2) 具体例:会社経営編」として、堂主が経営する会社をモデルにした例を見てみましょう。ここでは、赤字経営を黒字化するためのプロセスを追ってみます。
1(苦諦):問題の現状を正確に認識する。
前期は総売上5億円、総原価5億1千万円で、1千万円の赤字だった。>
2(集諦):問題が生じる原因・プロセスを観察し、正確に認識する。
まず、会社全体の機能をなるべく細分化しながら部門別に整理し、その部門ごとの売上・原価・損益を算出します(表左)。
また、必要に応じて、各部門に所属する社員ごとの数値も明らかにします(表右)。
| 大部門 | 中部門 | 小 部門 | 売上 | 原価 | 損益 | 所属 社員 | 売上 | 原価 | 損益 | |
| 建築 | A | 1億8300万 | 1億9430万 | -1130万 | ○垣 △明 | 8000万 | 8500万 | -500万 | ||
| : | : | : | : | |||||||
| ▲田 ◎人 | 3000万 | 3200万 | -200万 | |||||||
| : 以下略 : | ||||||||||
| B | 1億5000万 | 1億5800万 | -800万 | |||||||
| 不動産 | A | a | 2500万 | 2430万 | 70万 | |||||
| b | 5600万 | 5380万 | 220万 | |||||||
| c | 5300万 | 5180万 | 120万 | |||||||
| d | 1000万 | 610万 | 390万 | |||||||
| e | 80万 | 190万 | -110万 | |||||||
| f | 2000万 | 1880万 | 120万 | |||||||
| B | 220万 | 100万 | 120万 | |||||||
この作業によって、どの部門及び社員でどれだけの利益又は損失が出ているか、そしてそれらがどのように積み上がって全体としての1千万円の赤字となっているのかが明確になり、1(苦諦)では漠然としか感じられなかったものが、身近に具体的に認識できるようになります。
3(滅諦):問題が解決した理想の状態を想定する。
今期は総売上5億1千万円、総原価5億円で、1千万円の黒字を出す。
4(道諦):理想の状態に至るまでの方法を考え、実行する。
2(集諦)の段階で数値化した部分をもとに、具体的にどの部分をどのように変更して、3(滅諦)の状態に至るかを考えます。例えば次のような形です。
| 大部門 | 中部門 | 小 部門 | 売上 | 原価 | 損益 | 目標売上 | 目標原価 | 目標損益 | 備考 | |
| 建築 | A | 1億8300万 | 1億9430万 | -1130万 | 1億8000万 | 1億8500万 | -500万 | 赤字幅 縮小 | ||
| B | 1億5000万 | 1億5800万 | -800万 | 1億5000万 | 1億5000万 | 0 | 損益分岐 点到達 | |||
| 不動産 | A | a | 2500万 | 2430万 | 70万 | 2900万 | 2550万 | 350万 | 5倍増 | |
| b | 5600万 | 5380万 | 220万 | 5800万 | 5500万 | 300万 | 微増 | |||
| c | 5300万 | 5180万 | 120万 | 5500万 | 5350万 | 150万 | 微増 | |||
| d | 1000万 | 610万 | 390万 | 1200万 | 760万 | 440万 | 微増 | |||
| e | 80万 | 190万 | -110万 | 80万 | 190万 | -110万 | 現状維持 | |||
| f | 2000万 | 1880万 | 120万 | 2200万 | 2000万 | 200万 | 増 | |||
| B | 220万 | 100万 | 120万 | 320万 | 150万 | 170万 | 微増 | |||
上の表では小部門単位で考えていますが、業務の内容によっては各社員レベルにまでさらに落とし込みます。
このように細分化してみると、それぞれの目標値までのハードルがそれほど高くない場合がほとんどです。「なんだ、ちょっと頑張れば行けそうじゃん」と思えればしめたものです。
ただし、何らかのマイナス要因でその部門を成長させるのがどうしても難しい場合もあるでしょう。そういう場合は無理な目標設定はせず、現状維持又は活動休止などを選択します。
このような考え方を積み重ねて3(滅諦)の状態を達成できるように、4(道諦)を実践します。
ポイント
最も大事なのは2(集諦)です。この段階が的確に行われれば、「あとどの位いけるか」というのが感覚的に分かりますので、4(道諦)と3(滅諦)は自ずと見えてきます。
3(滅諦)は最初は漠然としていても構いません。むしろ、4(道諦)を考えながら、両者をすりあわせて3(滅諦)を明確にしていく形が良いでしょう。
考えた内容を実践する段階においては、常に目標と結果を照らし合わせることが大事です。目標と結果のずれを認識しないまま努力してしまっては、すべての労力が無駄になってしまいます。
実践上の注意点
本稿では、会社全体としての決算数値について考えてみました。但しこれは最も表層的な部分についてであって、さらに掘り下げて各部門の損益を1(苦諦)とした2(集諦)~4(道諦)、各社員の損益を1(苦諦)とした2(集諦)~4(道諦)の作業が必要になります。
また、金銭面からの視点以外に、役割分担、業務連携、時間・労力配分などの視点からの分析・実践も必要になります。
実際、堂主はこの考え方で自社を経営改善し、本稿で述べた数値を一年で達成することが出来ました。また、問題解決のみならず、目標設定・達成のプロセスも全て四諦の考え方に基づいて行っています。
......続く
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【キーワード】
四諦,苦諦,集諦,滅諦,道諦,問題解決,
Posted at 09/04/16 09:04 | Edit
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